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2014.05.12
漆とカシュー漆の違いって?伝統工芸に欠かせないうるしの秘密
ご無沙汰しています亀井です。
さて、今回は伝統工芸品に欠かせない漆(うるし)についてです。
昔から漆の木の受益を用いたいわゆる「本漆」が使われており、漆は湿気に強く、アルカリ性にも酸性にも強いという、塗料として優れた性質を持っています。
また、非常に美しい光沢を持つので、古くから食器や工芸品に使われてきました。
しかし、この漆の主成分、ウルシオールは、非常に強いアレルギー物質でもあります。
多数の人がこれにアレルギー反応を起こし、皮膚のかぶれを起こします。
現在でもこれに対する薬などは無いという、割りと扱いに気を使う塗料なのです。
(※十分に重合が進めば、アレルギー反応を起こすことはありません。殆どの流通している加工品は、かぶれの心配がありません。)
しかし、現代になり、本漆に代わる塗料が活躍するようになります。
それがカシュー漆です。
これは、皆さんがよく知る、カシューナッツの殻から抽出されます。
本漆とほぼ同等の性能、質感を持ち、優れた塗料でありながら、ほぼアレルギー反応が出ない(まれに出る人もいます)など、扱いが非常に簡単なのです。
よく、漆とカシュー漆ではやっぱり本漆の方がいいものだよね?
と聞かれます。
確かに、伝統的な塗料という意味ではそうでしょうし、実際、本漆の方が値段は高いです。
しかし、本漆の値段が高いのは、その扱いが特殊になるという性質ゆえでしょう。
安いからといって、カシュー漆は本漆に負けない性能を持っています。
扱いやすいという点ではカシュー漆の方が上です。
そういった事もあり、現在では非常に多くの仏壇にカシュー漆が使われています。
伝統工芸品は、こうしてひっそりと進化しているのかもしれません。
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